We do not accept international orders.

アルマイト加工の方法

アルマイトとは

希硫酸内でアルミを陽極として水の電気分解を行い、アルミ表面に酸化皮膜(アルミナ)を生成させる処理のことです。アルマイト処理を行うことで、耐食性、耐摩耗性が向上します。
また、酸化皮膜は微細孔をもつので、そこに染料を吸着させることで定着性の高い染色処理が可能です。

用意するもの

「アルマイトキット 彩」には、アルマイト処理に必要な道具が揃っています。
別売りの染料を使うことで、色鮮やかなカラーアルマイトを行うことも可能です。

※アルマイトでは希硫酸などの薬品を取扱います。やけどや失明の原因となるので、保護メガネやゴム手袋を着用して作業を行ってください。

1. 染色槽の準備

1-1|水槽に水(8L程度)を注ぎます。水槽は染色するアルミ材が収まるサイズのものをご用意ください。材質はガラス製、樹脂製のものがオススメです。また、水は精製水が最適ですが水道水をお使いいただいても問題はありません。

  • 染料用の容器を別途ご用意ください。

1-2|水に染料を溶かします。当社で取り扱っている染料の場合、水8Lに対して容器1本分が目安です。染料はお好みの色合いに合わせて調整してください。

1-3|染色液をヒーターで温めます。50度前後になるように調整してください。

2. 陽極酸化槽の準備

2-1|水槽に鉛板を取り付けます。水槽は染色するアルミ材が収まるサイズのものをご用意ください。材質はガラス製、樹脂製のものがオススメです。

  • 「アルマイトキット 彩」には陽極酸化槽用の容器が付属します。

2-2|鉛板を取り付けた水槽に電解液(8L程度)を注ぎます。当社取り扱いの電解液は希硫酸のため、ゴム手袋を着用し、取り扱いには十分ご注意ください。

3. 洗浄槽の準備

水槽に水(8L程度)を注ぎます。水槽は染色するアルミ材が収まるサイズのものをご用意ください。材質はガラス製、樹脂製のものがオススメです。また、水は精製水が最適ですが水道水をお使いいただいても問題はありません。

  • 「アルマイトキット 彩」には陽極酸化槽用の容器が付属します。

4. 封孔槽の準備

4-1|鍋に水を注ぎます。鍋は染色するアルミ材が収まるサイズのものをご用意ください。材質はホーロー製かステンレス製のものをご使用ください。また、水は精製水が最適ですが水道水をお使いいただいても問題はありません。

4-2|鍋に封孔剤を入れます。当社取り扱いの封孔剤を使用する場合は水18Lに対して容器1本分が目安です。

5. アルミ材の準備

5-1|染色するアルミ材を中性洗剤で洗浄し、皮脂などの油汚れを落とします。油汚れが残っていると染色時に色むらの原因となります。

5-2|アルミ材にアルミ線を取り付けます。アルミ線と接している部分はアルマイトがかからないため、目立たない部分に取り付けることをオススメします。

アルミ線との接触は非常に重要です。アルマイトの失敗の多くが導通不良によるものです。今回はプラスチック棒をクサビのように使用して、アルミ線と材料の導通を確保しています。

5-3|アルミ線をアルミ棒に巻きつけます。

6. 陽極酸化

6-1|アルミ材を陽極酸化槽の中に入れます。

6-2|アルミ棒を+に、鉛板を−にしてブースターケーブルを取り付けます。

6-3|電解液の中で12Vの電圧を30分程度流し、酸化被膜を生成させます。

7. 染色

7-1|洗浄槽で電解液をすすぎ落とします。

7-2|染色槽の中にアルミ材を投入し、アルミ材が水槽の壁面や底に付かないように固定した状態で30分置いておきます。当社で取り扱っている染料の色見本はこちらからご覧いただけます。

7-3|染めている間に次の工程で使う封孔槽を温めておきます。

8. 封孔処理

8-1|洗浄槽で染料をすすぎ落とします。

8-2|封孔槽で15分間煮沸します。作業の際は酸性の臭気が発生するため、必ず換気を行ってください。

洗浄槽で封孔液を落とし、アルミ線を取り外して完成です。

廃液処理について


電解液、封孔液、染色液は劇毒物ではありませんので、下記の手順にてご家庭で処分することができます。

■ 電解液
水で4倍以上に薄めて排水口に流してください。
重曹を少しずつ入れて中和させておくとより安全です。(※ 重曹を一度に大量に入れると発泡、発熱して危険です。ご注意ください)

■ 封孔液
水で4倍以上に薄めて排水口に流してください。

■ 染色液
市販の塩素系漂白剤で脱色してから排水口に流してください。

材料について


  • インサートやリベットなどの異種金属は硫酸に溶け出して電解液の寿命を短くします。
  • A2017は白い製既出物(スマット)が発生し、アルマイトがかかりません。
  • A7075も同様にスマットが発生するものの、アルマイトがかかって薄く色が付きます。
  • 鋳物のアルミは黒ずみが発生するので、黒アルマイト以外は適しません。
  • 材料表面を強くこすると、アルマイト時にムラになることがあります。

洗浄について


  • 中性洗剤では油を取りきれない場合があります。有機溶剤やアルカリ性洗剤を併用するとより確実です。

陽極酸化処理について


  • 電解液の温度が20°Cにて陽極酸化処理をした場合、着色性が良くなります。
  • 電解液の温度が低い場合、色は薄く、皮膜強度が高くなる傾向があります。
    原理上、硫酸濃度を上げて、低温で陽極酸化処理を行ったものが硬質アルマイト処理になります。
  • 鉛板は処理中、表面に不純物が付着しますので、使用後は金属タワシなどでこすり落とすと、鉛板の延命、電解液の汚損防止になります。
  • 複数の材料を同じ色にしたい場合は、まとめて一度に陽極処理すると色合いに差が生じません。

染色について


  • 最初の1分ほどで全体の濃さの半分ぐらいが染まります。
    あとはゆっくり染まっていくので、染色時間を調整することで好みの色合いにすることが可能です。
  • 染料を混ぜて中間色を作ることも可能です。
    ただし、1:1の分量で混ぜても濃いほうの色が強く出るので試行錯誤が必要です。
  • 色を薄くしたい場合は、染料の濃度を下げるか、染色時間を短くします。(前者のほうが色の均一性が高くなります)
  • 色を濃くしたい場合、染料の濃度を上げるか、黒染料を少しだけ混ぜます。

色が付かない場合


■ アルミ線には色が付く場合
アルミ線との接触は非常に重要です。アルマイトの失敗の多くが導通不良によるものです。
材料との接触がガタガタにならないようにしっかりと固定すれば色が付きます。プラスチック棒をクサビのように使用して導通を確保する方法も有効な方法です。

■ アルミ線にも色が付かない場合
アルミ線にも電流が流れていないか、アルミ線自体に問題があります。
もし市販のアルミ線を使用されている場合は、本製品に付属のアルミ線を使用してみてください。
市販のアルミ線は表面処理が施されている場合があり、その影響の可能性があります。
なお、アルミ線はオプション品からご購入いただけます。(商品ページへ

各液の寿命に関して


■ 電解液
電解液は使用していくうちに、アルミ成分が溶け出して徐々に濁ってきます。この濁りが白く目立ってきたら、アルマイトの色彩が悪くなるため交換が必要です。

■ 染色液
使用するたびに液体中の染料が消費されますが、その度合いは極微量なので相当な量を処理できます。それよりも、使用している水の水質や使用中の不純物混入、保存管理による影響の方が大きいです。高温多湿な環境で保管すると、カビや藻のようなものが発生して品質が低下する場合があります。
※ 水道水よりも精製水を使用したほうが色ムラや粉吹きが発生しづらくなり、寿命も長くなります。

■ 封孔液
封孔液は使用していくうちに水分が蒸発し、濃度が増して粉吹きが発生したりツヤのない仕上がりになります。そのために時折、水で薄める必要があります。また、濁りが目立つようになったら交換の時期です。
※ 水道水よりも精製水を使用したほうが色ムラや粉吹きが発生しづらくなり、寿命も長くなります。


We do not accept international orders.
We do not accept international orders.